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2012年 of 五十嵐 桂一

2012年の発言集

第1定例会

予算特別委員会

病院事業会計について

 この予算書ではなかなか判り辛いのですが、新聞報道によりますとリハビリ担当の職員が増員されるそうです。過去には市民病院にて脳疾患の手術を受け、その後言語のリハビリが必要だったが市民病院で受け入れることができず、市内の民間病院を紹介されそこに相談したがすでにいっぱいで、結局市外のリハビリ施設に通っている方がいらっしゃいます。
 今回の増員で市民病院のリハビリ環境がどう変わり、市民生活にどのような影響をもたらすのかお聞きします。
 リハビリ環境は全てのケースに万全の備えと云うのは現実的ではないかもしれませんが、今後のリハビリ環境整備はどの分野を重点的に進めると捉えていらっしゃるでしょうか?

家庭ゴミ有料事業費について

 24年度からいよいよ燃やせるゴミ、燃やせないゴミ共に5Lの袋を新規採用されました。現状では最小サイズを10Lとしていますが、以前からもう少し小さいサイズのゴミ袋が作れないのか市民の声が少なからず有ったと承知しております。また、私個人も2年前に担当部にお聞きした事もあります。なぜ今回採用する事になったのか?経緯をお聞きしたいところです。ポリ袋に限りませんが、市民ニーズが有り且つ導入に特別な費用な増加を見込まない場合は年度中に事業内容の変更する事も可能と思います。しかしながら今回の様に年度が替わるタイミングで導入する事が多いのは何故なのか?速やかな対応も市民ニーズですから違う取り組み方有ると思いますが御所見は?

生活保護費について

 先日の佐藤議員も生活保護費を取り上げましたが、若干重複する部分も有りますがお聞きします。予算書の説明でもこの生活保護費は約23億円と他の事業費に比べると突出した金額になっております。歳入の部分を見ますと国の負担分と道の負担分がそれぞれ有りますが市の負担分が見え辛い印象を受けます。金額として千歳市民は千歳市の生活保護費をいくら負担しているのでしょう。人数、世帯数と併せてはこの5年間の推移をまず確認させて下さい。
 つまり24年度は単純に人口で割ると一人当たりの負担額は約5300円となります。5年前と比べるとこの負担額は2000円近く増加しています。憲法でも保証されている様に全ての国民は健康で文化的な生活を維持する事が出来ますから、いわば互助的に納税者全員で負担する訳です。ここ数年の経済動向を振り返ると、いつ誰が受給者になってもおかしくない、非常に厳しい現実が有りますが今後の見通し、先日の答弁では「減少する要素は見当たらない」との事ですが、市の負担分としてどのレベルまで達しそうなのか見解があればお聞かせ下さい。
 次にモデルケースと言っても何が標準なのか定義が難しいところですが、一般的納税者と比較する為に、50代夫と40代妻、中学生の子供が一人の3人世帯では受給額がいくらになるのか、項目別にお示し下さい。
 家賃を加えると約29万円弱の受給額となります、年収に換算すると手取りで360万円。市内では普通に仕事をされていて手取り346万以下の家庭は沢山いると思われます。法令で定められた基準に従ってはいるとはいえ純粋にこの金額をどう捉えていますか?年金問題でも良く取り上げられますが、高齢の単身者受給額はコツコツと何十年も国民年金を納めてきた人の基礎年金の満額を数千円上回る金額になります。これらの不公平感はなかなか納得出来ない事象として厚生労働省の年金部会でも取り上げられました。最低限の食料は現物支給するなど、市が負担する金額を抑制するお考えは有りますか?
 次にケースワーカーの現状をお聞きします。この予算書ではケースワーカーの人件費は全て職員費に計上されこのページだけでは分かりません。私がお聞きしたいしたいのは生活保護という制度をしっかりと実行する為にいくらかかっていると云う事ではなく、一体何人で担当しているのかと云う事です。先ほども憲法の25条に触れましたが、この生活保護を確実に実行するのは地方自治体の大切な使命です。直近の数字、879世帯、1231人を戸別訪問などでしっかり守る。年間400件近い相談業務をこなし、受給者の選定や廃止の決定など、余に沢山の業務があります。最近は各地で孤独死による、悲劇としか言いようのない事例の報道が続いております。札幌市では生活保護受給者ではありませんが窓口に相談には訪れていたようです。当然ケースワーカーが応対したのでしょう。今日現在、この責任の重い業務を何人で担当されているのか、24年度は増員しないのか?業務の内容から担当職員の受けるプレッシャーは想像するに余り有ります。文系の大学課程を卒業した職員はほぼ全員がカースワーカーになり得るのですから、福祉課の業務形態を大多数の職員でフォローする体制造りは可能ではありませんか?
 次にここ数ヶ月で実際に起きた事例を取り上げながらお聞きしたいと思います。1月の下旬にある企業の面接を受けほぼ内定まで取り付けた生活保護受給者が結局、2月の下旬にその就職を断りました。その原因は多くの条件が重なっての事だと個別質疑の中で十分にご説明いただきました。しかし大事にしなければならないのは生活保護法つまり今質疑をしている全ての根拠になっている法律の第1条に書かれている自立の助長です。地域の中で絶対的に保護を必要としている方はもちろん、一時的に保護が必要な方も地域の住民が助けなくてはなりません。すなわち共助です。この方は自分の事として自ら面接を受け自立の道を求めた訳ですから、これは自助です。あとの一つ、公助の部分が足りなかったのでは無いかと思いますがいかがお考えでしょうか?若干補足しますと、数年前には公務員としての退職金を受け取り、再就職後昨年の10月まで仕事に就いておりましたが、保護の申請が必要な状況となり、面接の時点で1回生活保護の受給を受けております。ご自身と奥様、小学生のお子様が一人、市内の一軒家にお住まいで、応募した職種は業務上必要とされる資格があり本人は取得しておりません。しかし保証人さえいれば資格取得費用は会社負担でも可能との事。また同社は数年前にも同様の事例で採用した実績があり、今回も積極的に採用をしようと考えたようです。採用にあたって収入の見込額は先ほどのモデルケースよりも少しだけ低く24万円程度と提示したようです。年齢は50代後半、数年前の方との違いは単身者ではないと云う事です。
 担当職員でつまりケースワーカーでこの方の就職に関する会議を開いたそうですが、福祉課としてOK出来ない理由は先ほどの答弁で述べていただきました。ではどこが足りなくてOK出来なかったのか?あらゆる法令に照らして齟齬の無い様に務めるのは当然ですが、行政の裁量の範囲を有る程度持ちながら実務にあたられている訳ですから、もっと柔軟な対応が取れなかったのか疑問が残ります。今回は保証人の有無で本人の費用負担が発生しない事が十分に予想されたのにクリア出来なかった、その原因はどこに有るとお考えですか?また今回はOKしなかった事が最善の選択だったのでしょうか?
 原因はオーバーワークにあるのではないですか?先ほども申し上げた様に実務にあたる職員の人件費はこのページに記載されておりません。年度が始まってからでも体制を変える事は十分に可能です。先ほどと同じ内容に聞こえるかもしれませんが御所見は?

勤労者生活資金貸付事業費について

 前の項目から引き続く部分ですが、この予算書を見る限りこの勤労者生活資金貸付事業費に特例など設ければ先ほどの事例は対応が可能ではなかったかと考えております。当該事業費の貸付対象者は同一企業に1年以上勤務し、と有ります。この部分に特例を設ける事は従来検討されなかったのか?先ほどの方は生活保護制度の中で対応が難しかったとしても、この制度を上手く関連づけられないのか?この制度は、国の定めた法律と違って千歳市の独自事業なので議論の余地があるものと考えますが如何なものか?また、この制度を運用するにあたり今回の事例は想定外だったしれませんが今後も運用は同じなのか?また、この貸付金は150万円の枠がかなり低い実行率しか上げていない様なのでもっと市民ニーズを的確に捉えるべきではないのか?

第2定例会

一般質問

観光行政について

 近年、新千歳空港利用客数は航空業界の経営上の観点から使用機材の小型化等の影響で搭乗率に関しては高い数値を維持しているものの、実数として伸び悩む傾向に有りました。さらに昨年の震災の影響で国内線・国際線ともに23年度上半期はその影響を大いに受けました。しかし昨年の後半からは徐々に持ち直し、今年の春に関しては震災前のレベルまでほぼ回復した事は千歳市にとって大変喜ばしいニュースです。また昨年、夕張 占冠間が開通した道東道は十勝方面と千歳市を結ぶ大きな動線として機能してくれる事でしょう。来年度中には空港直結といっても良い新たなインターチェンジも供用開始となります。震災前はアジアからのインバウンドに特化されがちだった観光需要もローコストキャリア、いわゆるLCCの出現により、国内観光客の新たな掘り起こしも期待されるところです。このLCCは既に3月から千歳と関西を結んでおりますが、7月からは成田空港と結ぶ路線が2路線新設され、短期間の内に新千歳空港を取り巻く環境が大きく変化を遂げつつあります。従来でも6月から9月まで、市内のホテルは平日も含めほぼ満室状態です。冬期間は逆に客室稼働率がなかなか上がらない、つまりガラガラなのは皆さんご存じの事でしょう。支笏湖に関してもほぼ同じ状況です。その他、アウトレットや空港に向かう交通渋滞の解消なども早急に取組んで頂きたい課題ではないかと考えます。
 支笏湖をはじめインディアン水車、青葉公園、千歳川など従来からの観光資源と位置付けていた物を含め、自衛隊の見学や各工場の見学ツアー、体験型の農場見学など、旅行会社もその商品化への取組みは既に始めています。
 そこで、千歳市として観光行政に関する取り組みは、実態の急激な変化を取り入れながら、臨機応変の対応が必要と思われますのでいくつか質問をさせて頂きます。
 この夏以降の新規就航予定路線や高速道路環境の変化とそこから予想される観光客をどう捉えているのか?
 従来の旅行代金とは価格帯が違う国内観光客や、従来対象とされていなかった地域からの観光客のニーズに対して、地元自治体として対応すべき施策とは何か?
 当市の魅力を、どう捉え如何に観光客に適切に発信していくのかと考えた場合、有効な手段としてフィルムコミッションを設置し市のホームページや他の媒体で発信するのは大変有効と思うが如何か?

冬期間の観光イベントについて

 氷濤まつりに代表されるように、千歳市では従来から冬期間の観光に関する取り組みを行っております。近年では厳冬期の北海道ならではの景色や自然環境を求め来道する観光客もアジアを中心に徐々に増加しているようです。「千歳川 光と氷のオブジェ」やサーモンパークで開催される「ちびっ子雪ランドinサケふる」、ゴルフ場やアウトレットなどでも多くの市民、観光客を集める冬型イベントが増えてきました。
 しかしながら今年2月の支笏湖における宿泊数は対前年度比較 約25%減と、各イベントを運営している市民、NPO、団体にとっては大きなショックではなかったでしょうか。これは「さっぽろ雪まつり」など、道内各観光地でも同じ傾向ですが、近年の冬期間の北海道観光を支えていたアジアのインバウンドに対応できていなかった事が原因と報道されています。実施に大きな労力を要する冬期間のイベントは千歳市における観光行政の中で弱いとされている分野を、多くの市民、NPO,団体の力が支えています。そこでお伺いしますが
 今年の冬期間 特に12月から3月にかけての国内および海外観光客数から推察される傾向と今後の冬期間における観光行政の方針をお示し下さい?
 特に宿泊数に大きく影響する「春節」に対する取り組みと同種の悩みを抱える道内各イベントとの協調は取れないのか?
 「千歳市民夏まつり」のように商工会議所、自衛隊、市役所など多くの団体と市民が一体となり実行委員会を設置し取り組んでいるように、既存の冬イベントを市が中心となって取りまとめる事は出来ないのか?
 この先数年で千歳市を訪れる観光客は大きく変化する可能性が有ります。もちろん減少ではなく増加を見込める大きな変化です。国際空港を持つ千歳市には交通の要所として果たすべき役割と、そこから得られる大きな果実が目の前にぶら下がっているのでないでしょうか。この大きなチャンスを逃すことなく、シッカリと自治体としての役割果たし、民間の行動を促す積極的な施策に早急に取組むべきと申し上げ次の項目に移ります。

学校教育について

 この春から、勇舞中学校が新設されました。また3月まで真町中学校に通っていた生徒達は自転車等も使い千歳中学校に通う事となりました。勇舞中学校では新たに設定される通学路に対し、危険が予見される箇所では開校前に公安委員会に対して要望活動も行っていたとの事です。また、開校後も先生やPTAが事故防止の為、登校指導をされているのは先日新聞報道されたところです。しかし従来から、信号機の設置や新たな標識等の設置に対し地域の要望が実現されるまでは、大変長い時間がかかっているのではないでしょうか。
京都府亀岡市でこの春に小学生ら10人が軽自動車にはねられ死傷した事故を受け、急遽安全点検を行ったところ、府内で95箇所もの危険箇所を確認、すぐに対策に取り掛かっているそうです。事故は起きてからでは遅い、早急に対処してしてほしい、という保護者や地域住民の要望について、千歳市において実際の対応状況がどうなっているのか実例をいくつか上げ質問させていただきます。
 勇舞中学校における危険個所の把握とその対応は現在どうなっているか?また、以前から指摘されている高台小学校の通学路、日の出大通りのY字路について、地域からの要望と教育委員会の対応はどうなっているか?
 次に「不審者情報」についてお伺いします。簡単に携帯電話でも受け取る事ができる不審者情報。主に児童生徒から寄せられた情報をもとに発信している情報で、メールの他学校からのお知らせプリントのかたちで保護者に届けられ、おそらく各家庭で子供達に伝えている事でしょう。同様のシステムは「子育て情報」など他にも有り、方式としてプッシュ型と呼ばれるメールの自動配信です。一度設定してしまえば携帯電話を持つ保護者の方にとって非常に便利なのは間違いなく、有効に利用しているお母様方も多いと聞いております。
しかしながらプッシュ型の弱点として、伝達までのスピードが遅い、受け取る方からは情報発信する手段が無いなどが上げられます。せいぜいママトモに転送するぐらいしか利用出来ないのではないでしょうか。危機管理の視点で捉えれば、情報の真偽を確かめる事より、まず目の前の危険に対処するほうが重要ではないでしょうか。そこでお伺いしますが
 従来の不審者情報で実際に不審者の特定に至った実例は有るのか?不審者に対する情報はプッシュ型から双方向型、SNSつまりソーシャルネットワーキングサービスを用い保護者から情報の発信を出来るシステムに変更できないか?
 児童生徒の安全を守る事は、保護者はもとより地域住民の大きな使命です。また、それに行政が大きく関わるのは当然の責務です。事務事業評価のなかでも「児童生徒安全対策事業」として不審者に対する取り組みが、緊急避難場所の登録、千歳っ子見守り隊の登録として事業の必要性・関与の妥当性について、共に市が主体的に取組むものとして位置付けられております。そこで次にお伺いしたい事は「千歳っ子見守り隊」についてです。
 いま申し上げた通り、見守り隊は交通安全の観点からだけではなく不審者から子供達を守る事も目的として平成18年に設置されました。しかしながら学校単位で設置している為、地域により温度差と言いますか、登録者や実施状況に差が生じているのではないかと思われます。設置要綱の第2条に、想定されるボランティアが書かれておりますが、全市的な共通認識として認知されていないのかもしれません。千歳市に暮らす人ならば、ほぼ全員が小学生の登下校を見守る緑のベストを着た方達を見た事が有ると思われます。しかし現実は各小学校に集まる半期ごとの実績調査を読む限り、登録者の確保に苦慮し、固定化された一部のボランティアに頼って日々活動をしている事が窺えます。そこで質問したい事は
 地域の方々およびPTAなどで構成される「千歳っ子見守り隊」の位置付けの明確化と、設置要綱の第1条中での教育委員会の役割とは何か?
 協力してれるボランティアに対し現状開催されている児童による感謝集会だけではなく、登録者の確保に対して教育委員会も積極的に関わるべきではないか?

市内の医療体制について

 今年の第1定例会、予算特別委員会で質疑させていただきましたが、今年度からリハビリ体制の充実という事で1名の増員がなされました。またその際の答弁では更なる医療体制の充実を目指し、他の分野でも検討している旨の発言が有ったと記憶しています。
今年度に入りまだ2カ月と少々ですが具体的にどの分野で取組まれているのかお聞きしたいと思います。特に2年前に市内で新たな産婦人科が開院され、それまでは市内産科医療の体制が危機的な状況に追い込まれましたが、その後市内の出生数との関係はどうなっているのか、非常に興味を持っております。そこでお伺いしますが
 この項目の一つ目は、市民病院の医療体制は24年度に入りどう変わろうとし、具体的に何に取り組まれているのか?
 二つ目は市内の出生数と市民病院および民間病院の分娩可能数はどうなっているのでしょうか?
 3年前に私が初めて一般質問をさせていただいた時も、産科医療が市民病院の経営に対し与える絶大な好影響は申し上げておりますので、重複は避けますが、産科医療体制の充実が市民の喫緊のニーズで有り続けている事は事実です。市民病院内ではなかったものの、2年前に市内に新たに分娩可能な産婦人科が開院されたことは、1人の市民として大きな喜びでした。近隣の地域で実際に起きている事例を紹介しますと、出産とは直接関係のないと思われる麻酔科医の減少に伴い、分娩時のリスク管理から当該市内の産科医療に多大な悪影響を与えているとの新聞報道も有りました。次は千歳市民病院に限定してお伺いしますが、現実問題として一人の先生に頼りっぱなしの産科医療体制は今後どうなるのか?市民病院として持続可能な分娩体制作りに対する具体的な取組みは行われているのか?
 今議会初日の行政報告で山口市長が最後にふれましたが、市民病院の23年度決算は1億6800万円もの経常利益を見込んでおります。もちろん救急体制の維持も含め、一般会計からの繰入が大きな事は事実です。利益を市民に還元する場合、市民に提供できる適切な医療規模の維持、優秀な医療スタッフの充実、良好な医療環境の構築に投資を続けることこそが、持続可能な千歳市としての街づくりに大きく貢献することは疑うことの無い事だと信じ、積極的に病院会計から生じる利益を未来に向け投資して頂きたいと意見を申し上げ壇上からの質問を終えます。


第3定例会

一般質問

コンパクトシティについて

 第6期総合計画は平成23年度より始まり、計画として下位に位置づけられる「第2期都市計画マスタープラン」は平成24年度4月からまちづくりの具体的方針として施行されております。 さて、私は第6期総合計画策定に係る特別委員会に所属し、2年前のこの時期に様々な分野で意見交換ならびに考え方の確認をさせていただきました。現在、全国で盛んに「コンパクトシティ」が街づくりの概念として打ち出され、最近では夕張市の計画に関し積極的に北海道も関わると高橋知事が表明されました。この8月には国土交通省も「コンパクトシティ」に関し来年度から財政支援を行なうとし、数億円の予算概算要求を盛込むそうであります。
 2年前の特別委員会では、千歳市の考える「コンパクトシティ」とは、これ以上市街地を増やさない事で、言い換えれば新規の宅地をこれ以上認めない事とされ、且つ千歳市には郊外と呼ぶべき地域は存在しないと担当者が発言されました。あれから約2年が過ぎ、「コンパクトシティ」に対する近隣の動向を踏まえれば、平成11年策定の前期マスタープランも計画の半ばで現在の2期目に移行した訳ですから、現行のマスタープランも20年を想定しつつも期間が短縮され、10年程度で第3期に移行するのは当然とも言えます。しかしながら、この10年は千歳が始まって以来、初めての人口減少時代に突入する訳ですから、より一層の慎重で大胆な検討が必要と思われます。
 ここでいくつか質問をしますが
1.一人当たりの行政コスト(維持補修)は地域による偏在があっても仕方が無いと思われますが基礎的データーとして、都市計画マスタープランで定められる中心市街地地区とその他の4地区ではどのような比率になっているのか?
2.市街地西部地区ではJR長都駅を地域の拠点として捉えながら、それを核としたまちづくりの具体的方針が示されないのは何故か?
3.泉沢地域では飛び地の市街地と位置付けし高齢化の進展等を背景にコミュニティの衰退を危惧しながら、地域の活性化に関した行政としての方針を示さないのは何故か?
4.前期および第2期の都市計画マスタープランは現状追認に終始し、今後のまちづくりの基本的考え方が打ち出せていないのではないか?

 近い将来、千歳市で人口が減少に転じるとするならば、当然税収も落ちる訳ですから「コンパクトシティ」の意味する処である、生活に必要な諸機能が近接し効率的かつ持続可能を目指した都市政策はまさに千歳市にとって喫緊の課題であります。このまま道路の総延長が変わらなければ除雪の費用負担は減り続ける市民税で賄えるのか、高齢化を背景とする交通弱者が各地域で買い物をする場所は今後も持続可能なのか、同じ市内に住む人達が中心市街地に住み替えをする事により都市計画税収入が増え有効な税源確保策とならないか等、想定しなくてはならない事が多く存在するはずです。
 もちろん住民ニーズも多様化が進み、公共交通機関が発達し自ら車を所有する必要のない生活スタイルを求める方もいれば、北海道らしい自然豊かな環境でのんびりカントリーライフを楽しみたい方もいるでしょう。長年住み慣れ現役時代に苦労して建てた家に一生住み続けたいと希望するのは当然ですし、息子、娘達に立派な財産として残したいと思うのも人情です。しかしながら行政サービスを際限なく提供し続ける事は無理ですから、何らかの誘導的政策が有っても住民の理解は得られるのではないでしょうか?除雪費用の抑制の為、公営住宅を中心部に移転する政策をとっている青森市の例なども参考にしながら第6期総合計画のローリング作業に反映して頂きたいと考えております。
 ここで、先の総務文教常任委員会で報告された「いずみ団地跡地売却」についても質問をさせていただきます。9月13日に示された売り払いに関する方針にはいくつか疑問が有りますので質問させていただきます。

5.売り払い方法では企画提案型による競争入札とされています。買受希望者から企画提案を受け、優良提案をいくつかに絞った後価格競争入札を実施するとされています。何が市民利益かと考えた場合、1円でも高く売り歳入を確保したいという考え方も確かに有るでしょう。しかしJR千歳駅に近接する一等地であるこの1万平米は、単純に価格の高い低いではなく、開発により建てられるであろう建造物を中心とした土地、地域の利用推進の方がはるかに市民利益に対する貢献度が高いのではないでしょうか?そこで、入札の方法を前後入れ替えて市が見込む歳入額で買受可能な希望者が、最後は企画提案内容で決定される方が良いと思われますがいかがでしょうか?
6.チャート図の中に住民説明会の実施をこの10月にされる予定とされていますが、売却する事が決まってから既に数年が経ち、この間、住民の意見をどの程度お聞きし、どの程度今回のプランに生かされているのか?

 ここで、今年5月に産業建設常任委員会で視察に行きました香川県高松市丸亀町再生計画が参考になると思われますのでご紹介します。この計画は本来商店街再生のプランですし、民間が知恵を絞り個別に商業者の廃業支援をしたところが一番の特徴ですので、今回取り上げた件とそこの部分に関しては別問題です。では何が参考になるのか、県庁所在地でもある高松市の一等地での疲弊した商店街、もちろん個人商店が主な構成員でしたが、地下の高騰により仕事場と住宅の分離が進んだ結果、ほとんど居住者が居なくなりました。再生計画は居住者を取り返す仕組みづくりから始まりました。「街なか居住の促進」は安価なマンションを整備し、車に依存しない、障がい者にやさしい機能が集積された、町医者による在宅医療の受けられる地域を目指しました。結果的に高齢者にとって住みやすい環境が整備された事により周辺地域のマンション開発まで促進されるという2次的な効果も生みました。安価なマンション開発は先ほど申し上げた廃業支援と密接に関わりますが、定期借地権付きの土地にマンションを建設する事により周囲の相場より3割程度安い物件を供給できました。車に依存しない環境は元より公共交通が充実した地域に、さらに100円で乗れるバスの自主運営と駐輪場の整備で実現、障がい者にやさしい機能は徹底したバリアフリー化により障がい者だけでなく高齢者にもやさしい環境をもたらしました。そして一番の特徴は町医者による医療環境の充実した地域開発です。マンションに付随するテナントとしてクリニックを誘致、ここは予防から入院、通院、在宅療養を一連の医療行為と位置付け県内の大学病院と連携し、自らは入院設備をもたず、マンション内を往診する事により実現しました。医師から見れば必要とする検査設備は管理会社が持ってくれて、入院用のベッドを持たない事からイニシャルコストが非常に安くすみ、県内出身の勤務医が退職後にUターンし仕事も続けられると非常に好評です。また居住者にとっても往診が基本とされているので遠慮なく自宅の電話から診察を依頼し、家族の負担も必要最小限ですむと、こちらも高評価を受けています。管理会社への出資は市から僅か5%で、この再開発による市の税収は約9倍、また開発時に投入した補助金を出資と捉えれば利回りが6%と、銀行の金利と比べればその差は歴然としております。

7.この項でもう一つ伺いたいのは、買受希望者が中高層の建物を建てた場合、RCであれば50から60年は使用可能となるので、売り払い収入から一部出資して買い受け業者と管理会社を立ち上げ、この地域を高齢者に優しく車に依存しない医療の充実したモデル事業地域として、またこの地域の価値に持続可能性を高めていく事に積極的に市が関わるお考えはお持ちか?
 たまたま今回の件は市有地ですが、この地域が魅力に溢れ、持続可能な地区として認知されれば、近隣の地域でも同様の開発行為が進むと予想されます。是非とも短期的な視野、単純な価格の上下で判断してほしくないと申し上げ次の項に移ります。

新千歳空港の民営化について

 社会資本整備特別会計の一勘定である空港整備特別会計は現政権の事業仕分けの結果、早期に民営化が必要とされました。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどは国が空港運営に関わっておりません。国管理の空港では新千歳空港も含め整備促進に重点を於いた上下分離方式が基本的な枠組みとなり、滑走路、管制は設置者である国、空港ビルは第3セクター、駐車場は公益法人が主な整備主体になっています。民営化に関し国土交通省が試算し公表されている資料では、国内線利用客数の頭打ちや高い着陸料、リーマンショック等、近年の経済環境を背景にこれまでの空港整備のあり方自体が問題視されました。 2009年の航空政策研究会による提言では、空港と地域の関連性を重視し「維持管理」から「経営」への発想の転換を求め、空港が地域に及ぼす外部経済効果を空港経営に取り込む知恵をもって、地域のリーダーが「地域ガバナンス」という認識を持ち経営すべきとしました。羽田の沖合展開による多額の固定費負担や関西3空港の経営統合などの主要な論点がいくつかされている中、新千歳空港に関しては投資負担が極めて少なく、上下一体になれば成田、関空につぐキャッシュフローがあるとされ、民営化による地域経済へのインパクトは大きく、交通結節機能を活かした新たな事業展開、道内ハブとしての役割、柔軟な料金設定による国際線誘致など新たな地域発展の可能性が高いととても高い評価を受けております。
 他の主要空港に比べると、使用機材の小型化が進む中にあっても新千歳空港では滑走路の利用効率が低く、増便に対する可能性は十分で、空港ビルに関しては一人当たりの経常収益が極めて高い数字になっています。単体で見ればすぐにでも民営化が可能な経営状況ですが、道内他空港とバンドリングと呼ばれる経営統合がセットで議論されかねない事は新聞等の報道でも明らかです。同じ国管理空港でのセットであれば多少理解出来る余地は有るものの、地方管理の空港とのバンドリングには違和感を禁じ得ません。先ほど申し上げた国土交通省の試算と同じ方式で道管理空港を計算するといずれも赤字経営です。
 最近の新聞報道では、しばらくストップしていた24時間運用化に動きが有ったようですが、騒音など市民生活に多大な影響も予想されることから確認を含めて質問させていただきます。

8.24時間化に関する進捗状況および過去の経緯、現状を千歳市としてどのように捉えているか?
9.既に頭打ちになっていた国内路線の旅客数がLCCの就航により増加傾向に転じ、国土交通省の示す成長戦略や航空政策研究会による提言でも拠点空港を基地とし事業拡大を期待するとされているが、千歳市で出来る対応には何が有り、どの程度旅客数の増加に貢献可能か?
10. 国が目指すと言われている民営化に関し、国管理の拠点空港と位置付けされる新千歳空港は法的根拠のないバンドリングという概念に振り回される事なく、現在空港ビルを管理運営する北海道空港株式会社の株主としても積極的に意見を表明すべきでは?道内の他空港のみならず国内の他空港に比べ、明らかに資産内容が良く損益の部分でも経常的に黒字経営の新千歳空港が千歳市民にもたらす利益が流出しないよう取り組む事が必要なのではないか?

 ここで少し視点を変えますが、道民の願いとされた新幹線の札幌延伸が決定されました。しかし沿線に千歳市は含まれず、新千歳空港の新幹線最寄り駅は札幌になるようです。交通結節機能の強化が必要であれば現在の15分間隔で運行されている快速エアポートの運行スケジュール、および札幌、新千歳空港駅間の所要時間短縮も新幹線の整備と共に進めてもらいたい処です。 また、10年以上前に結果は失敗でしたが、道内エアコミューターネットワークをもう一度検討する条件が整ってきたのではないでしょうか。LCC就航による新たなビジネスモデルが順調に業績を上げている事を踏まえ、新千歳空港を核とした道内航空ネットワークを構築出来ないものか、これは非常に可能性が高いと思われます。3年後には函館地区が、新幹線も走り、新千歳空港と同じ3,000mの滑走路を持つ空港のある重要な交通結節機能都市として生まれ変わります。一般的に考えれば千歳市が交通の重要拠点で有り続ける必要はなく、他にもっと機能的な地域が生まれれば、そちらに地位を奪われるのは当然です。大正時代に村民の力で滑走路を創り、それが現在の千歳市を支える大きな力になっている事は異論がないと思います。もう一度、市民の力を結集し、これからの北海道、千歳市の交通を支える地域づくりに取り組めないでしょうか。地形的にも気象条件も道央地区で空港を設置する最適地は、千歳市なのです。その上に胡座をかく事なく、さらなる機能強化に取り組む事が必要であると考えます。
11.いよいよ新幹線が札幌まで延伸する事になったが実現するのは約25年後。3年後には函館(駅名未定)に伸びる事は決定しています。道内でのローカルハブ空港の座を同じ国管理空港で3,000mの滑走路を持つ函館に奪われない為にも、対抗策が必要ではないか?
12.スカイマークはLCCではないとされながら1,000㌔当たり10,500円の運賃で黒字経営が可能と試算しています。道内の他空港と1時間以内で札幌、函館間を400円強で結ぶ都市間バスより安い運賃で就航可能な試算結果で、より安価なビジネスモデルのLCCならばさらに安い料金も見込めます。平成10年に日本航空と北海道が設立し結果的に経営がうまくいかなかったがコミューター航空ネットワークは現在なら可能ではないか?フルサービスエアラインに接続する北東北・北海道の基地となる施策を千歳市が主体的に取り組めないか?

決算特別委員会(2010年度分)

クマ防除経費について

 昨年のこの時期に市内にクマが出没し、民家の一部を壊した事はテレビのニュースでも取り上げられました。今年も先週に向陽台地区で目撃情報が有ったようです。昨年のクマ出没状況と今年の状況を近隣地域も含め確認させて下さい。
 次に、この内訳のうち、備品購入費に53万4117円と有りますが、たしか1台のみ箱罠を後から購入し、取り合えずの罠設置は2台借りて行ったはずですが、購入した1台の現状と、設置場所として北千歳駐屯地内を選んだ理由を教えて下さい。
 昨年は市街地に、しかも民家の玄関先にまでクマが出没するという、かつてない事態が発生しました。しかしながら目撃情報から設置まで4,5日かかっていますが、その理由ともっと早く対応すべきではなかったかと思いますが?
 箱罠に仕掛けたエサは蜂蜜だったとお聞きしております。「くまのプーさん」の絵のように微笑ましい姿を想像してしまいがちですが、実際の危険性はどうなのか?クマの習性、能力は巷間伝えられている通りなのか?目撃、遭遇した場合の取るべき行動は?
 秋と春にエサを求めたクマと出没しやすい事は道民なら皆知っています。もちろん山中深くまで入れば真夏でも遭遇するかもしれません。夏の時期から、山の中の状況を確認し、今年はクマに対する警戒が必要になる等の情報収集は過去からどのようにされていたのか?
 遭遇すれば生命の危機に直結する訳です。なぜ危機管理課が担当ではないのか?

子宮頸がんワクチンとヒブ・肺炎球菌ワクチンの接種緊急促進事業費について

 まず、決算書をお持ちの方は360ページの方が見やすいのでそちらをご覧下さい。
いずれも予算額に対し執行額がかなり低いように思えます。この予算は市民、特に女性と生後間もない子供達の為に国を挙げて取組んだ事業です。当議会でも特にヒブワクチンに関する質問は会派を問わず多くの議員から質問させていただきました。やっと自己負担なしで22年度の終りから始まりまって事業ですが問題なのは執行率の低さです。情勢と子供の命を守るためのワクチン接種で自己負担なしですから当然目標とするべきは接種率100%です。それぞれの予算の執行率と実際の接種率はどうなのか?
 ヒブ・肺炎球菌ワクチンの接種について。4歳以下の子供に対するワクチン接種なので、保護者、特にお母さん方の理解が必要です。ワクチン接種とは元々体に異物を入れる訳ですから、副作用は否定できず接種がもたらす効果と副作用の影響を天秤にかける事は最初から予想できたはず。特にワクチン接種後の死亡例などが報道されると益々神経質にならざるを得ない事は容易に想像できます。専門家(医師など)のアドバイス、講習会の実施など、いわゆる啓発活動は接種率を上げる為に有効と思われるが、これに関する費用は含まれているのか?
 子宮頸がんワクチン接種に関して、海外では早くからその効果が認められています。思春期の女子に対して行うものですから本人への丁寧な説明、保護者の理解、学校等の連携等も含めてきめ細かい対応が必要と思いますが、3回の接種が終わるまでかなり時間が要する事も問題と思われます。接種が中途になっている事はないのか?また、事業開始から間も無くワクチンが足らず接種できない状況も有ったはずですが、まさに想定外の事態にどう対応されたのか?
 はじめての事業なので担当部署も手探りだったとは思いますが、接種率向上のテコ入れは年度中も検討できたと思います。1年間、どのように取組まれ、周知、告知方法に問題は無かったのか?反省点は無かったのか?

生活保護適正実施事業費について

 名前の通り、生活保護制度が適正に実施されているかを調査する為の経費です。具体的な業務の内容、及び調査件数、対象者に対する調査率はどうなっているのか?
 レセプトのチェックも行っています。レセプトとは医療機関から保険事務所に対して行う医療費の請求ですが、かなりの専門的知識が無ければ事実上チェック出来ないと思われます。体制はどうなっているのか?それにより得られた効果と必要が無いと思われる医療費への抑止効果をどう捉えているか?
 生活保護の扶助費全体に対し、医療費扶助がその約半分を占め、自己負担が無い事から無尽蔵に増え続ける懸念が報道されております。当市の最近の状況(5年程度)と、この事業がもたらす効果は?市民は生活保護の重要度は十分理解しておりますが、一般の納税者は保護を受けている方々の実際の生活を見て不公平感を感じている事も事実です。ここを正しく伝えないと増え続ける生活保護扶助費に対して正しい議論が行えないと思いますがご所見は?

市税催告等業務委託料について

 23年度に初めて行われた事業・業務と思いますが、具体的な事業内容と対象になる税金、費用対効果の観点から初年度の取り組みとしてどう評価しているか?
 過年度に対する催告は、納付方法など委託先に権限を持たせられない業務では有るが効果が大きいならば委託内容を柔軟に見直す事は可能か?


法人市民税および固定資産税について

 共に前年額に対し高い伸び利率で法人市民税については震災の影響などマイナス要因も有った年度の筈だが、増収になったことをどの様に分析しているか?
 市税の内、半分弱を占める固定資産税は新千歳空港の国内線ターミナルビル 商業エリアの貢献が大きいと思われるが、固定資産税収入のうち新千歳空港がもたらしている税収と今後の見通しは?

退職手当について

 予算作成時に定年対象者のみの計上で実際は中途退職者にも退職金は支払われます。現実的に中途退職者に手当が支払われない年度は存在しないはず。予算に対する執行率は148%になります。毎年度こんな予算の立て方であるならば問題はないのか?
 退職手当基金は23年度も純増で取り崩されていない。本来は当該年度に支払った退職手当は基金から取り崩し、次年度以降の為に再度基金に積み増すべきと思うがそうしない理由と過去にこの基金を取り崩した事が有るのか?
 財政標準化計画によれば、今後40年間に必要とする退職手当の見込額を160億とし、1回目のピークを平成27年度までの5~6年、2回目のピークを平成34年度から46年度とし平均5億円を超えるとしている。23年度7億7千万にもなりながら取り崩す必要の無い財務状況から見て、標準化目標20億円としているのは多すぎないか?名前の通りの基金で有るなら、もう少し市民に還元できる事業にその資金を充てる考えは無いのか?

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