UA-8659652-1

2011年 of 五十嵐 桂一

2011年の発言集

第1定例会

一般質問

土地取引について

 この4月から始まる「第6期総合計画」では「序論」、「新たなまちづくりに向けて」の中で3つの潮流として「地球社会」「変容」「安心」に分類し、この潮流を踏まえ対応していくこととしております。この事を前提に本日の一般質問をさせていただきます。 私たち千歳市民は道内、いえ国内でも他に例を見ない特色を持った地域に生活をしております。それは「国立公園」を持ち「国際空港」が有り「2つの陸上自衛隊駐屯地、1つの航空自衛隊基地」が存在している事です。この特色が私たちの生活を支え、また当市の今後の発展に大きく寄与している事は間違いない事実でしょう。 この特色が、住み良さランキングの上位、北海道一若い街、そして2030年には道内で唯一生産年齢人口が60%を超えていると予想される基礎になっている事も、千歳市民なら誰でも承知しているのではないでしょうか。 この「総合計画」では、6期目にしてはじめて「自衛隊との共存共栄」に言及し、千歳の歩みとして、大正15年に村民総出で着陸場を造り、それが現在の「新千歳空港」「航空自衛隊千歳基地」に繋がっているのだと教えてくれています。また、文中に「自分たちの地域は自分たちで守る」とされ、自然災害と人的災害を同列で扱いその対応にも触れております。 昨年から各種報道機関より北海道の森林および水源地等が外国資本により大量に取得されている事がさかんに報道されております。特に住民が知らない内に外国資本に取得されていた例、または正確に調べようにも元々それを管理する台帳がしっかりしていないなど問題が多々在るようです。総面積に占める割合が53%と半分以上を占める山林を持つ千歳市においてはどうなっているのか市民の関心も高いようです。さらに言えば山林と水資源は切っても切り離せない関係にあります。 道内の他市町村ではどうなっているでしょう。一つだけご紹介させていただきます。その雪質が世界の注目を集め、外国資本がたくさん進出してきているニセコ町では、昨年末から水資源の保全の為、すでに外国資本に買い取られた水源地をもう一度町民の手に取り戻すべく、町有地化する為の買収交渉を始めました。今年に入ってからは「地下水の大量取水の許可制に関する条例案」を町議会に於いて審議されています。ニセコ町では自らのまちづくりに関する意見を国に直接届け、その意見が国政に於いてどの様に取り上げられているのか、広く町民に周知しているようです。ニセコ町も当市と同様、他に例を見ない程の特色を十分に生かそうと懸命に努力されております。 北海道庁内には「土地・水対策室」があり、水資源の保全などを目的とした条例の制定に向けた具体的取り組みが既に始まっています。
 さて、ここでお伺いいたします。
① 千歳市内の面積の内、実に65%以上にもなる山林、原野、雑種地では土地取引がどの様に行われており、その管理体制はどうなっているのか?また所有権など権利関係、使用状況などの実態を正確に把握できているのか?もし把握できていない箇所が有るとすれば、それはどのような理由で今後はどうするつもりなのか?
② 今お尋ねした地目に関わらず、市内どこでも取水可能と思われる地下水に関して、その資源の状況と管理体制、取水状況はどのような状態に有り、一定の制限あるいは規制があるのか?今後この貴重な地下資源に千歳市としてはどのような見解をお持ちでしょうか?
③ 防衛施設、新千歳空港周辺はほとんどが「市街化調整区域」ではあるものの、適正に管理監督が行き届いているのでしょうか?一番目の質問同様、権利関係、使用状況などの実態を正確に把握できているのか?もし把握できていない箇所が有るとすれば、それはどのような理由で今後どうするつもりなのか?

 市内には地番図と云う情報がなく、調べたい場所の「地図」あるいは「地積測量図」の閲覧、写しの交付を法務局に申請しようにも、事実上出来ない場所が存在しています。いずれも「市街化調整区域」で開発行為や構築物の建築が制限されている地域である事、また固定資産税の課税対象とならない為に現行法上、現在の状況は何も問題にはならないからだそうです。その内のひとつは、そこは相当に広い所であり、私個人の判断として場所が特定できる様な発言は控えさせていただきますが、まさに千歳の特色に大きく寄与する施設に隣接する場所で、所有者が4000名とも5000名とも言われております。しかし現在登記されている情報が正しいのか、連絡が取れる状況にあるのか、そもそも所有者とされている人が今現在、存在するのかさえ地番図が無いので調べようがありません。この状態も現行の法律的には何ら問題では無いようです。念の為申し上げますが、この状態は全国どこでも存在いているようです。今年の1月と2月に全国放送のテレビで「新千歳空港」の南側隣接地、ここは民間側滑走路に金網フェンス越しに直接接している場所ですが、この土地が国内のある企業から外国企業に売却されそうだとする報道がありました。しかし2月の放送にあった通り、現在は凍結されているようです。別の件では、これは今日の時点で確認できませんが、静岡のある企業の所有する土地が、民間側滑走路と自衛隊演習場に挟まれた広大な土地を外国の企業に一括売却したとの情報も複数のルートから寄せられています。土地取引については、現行法上、土地の用途によって基準になる広さの違いはあるものの、売買契約後の事後届け出をすれば良く、受付事務のみ市が担当するだけで千歳市にはその土地取引に関し調査、審査、監視、禁止などいかなる権限も持ち合わせておりません。市長は昨日の堀江議員の一般質問に対する答弁では「政府与党等におきましては、特定の土地に対する規制を検討している動きがある」と答弁されました。空の玄関口、千歳市は私たち市民が意識しなくとも常に諸外国と接している場所なのです。冷戦が終わったとされてから、しばらく減少傾向にあったスクランブル発進も今年度は遂に300回を越え、ここ数年は増加が続いております。自衛隊機の騒音など、防衛施設が存在する事での補償は長年国に要望しておきながら、その周辺状況に関して、「我関せず」では、バランス感覚に欠けると思うのは私だけでしょうか?
 千歳には大きく分けて5箇所の「防衛省関連施設」が在ります。通称ですが「東部隊」「北部隊」「二空団」「技術研究本部」「北大演習場」のそれぞれは、公有地、あるいは農地や住宅を含む私有地に隣接し、フェンスのすぐ横が住宅の壁となっている所も有ります。移動できる事が前提条件として駐屯している陸上自衛隊とは違い、航空自衛隊千歳基地に関しては滑走路がしっかりと確保されていることが、千歳に航空自衛隊が存在する必要かつ絶対条件です。「技術研究本部」に関しては国内随一の風洞実験設備を持ち、絶対に国外に持ち出されてはいけない技術と知識が集まった場所なのです。その東南側隣接地は農地になっていますが、農業委員会の審査が有るから大丈夫という事は通用しません。日本人のみならず外国人であっても条件さえ満たせば農地の取得は可能です。現に市内には、1カ所ですが外国人所有の農地が実際に営農しております。しかし、これは調べた所、その所有者の実態の把握が可能な為、脅威でも不安でもありません。どこの、誰が、何の目的で所有しているか、取得したのか、わからないから脅威になり不安にもなるのです
 「国際化」とは複数国間で互いの利益を尊重しながら、基本的に話し合いで様々な取り決めをして行く事です。つまり利害は基本的に一致していません。「グローバル化」とは世界が一つで有ると捉えているので全ての事に利害は一致しています。「長期総合計画」にある「地球社会」とはこの「グローバル化」を想定されているのでないでしょうか。しかし、この千歳を訪れる他の国の人に取ってはどうでしょう?そもそも「グローバル化」を望んでいる国はどれだけ有るでしょうか?利害の一致しない「国際化」で十分と考える国が多数あっても不思議ではありません。水や森林に関して言えば、コストを度外視すれば運搬可能です。現に日本は豊かな水資源を持ちながら諸外国から大量の飲料水を輸入しています。豊かな資源を持ち続けながら木材も長い間、輸入国になっています。そして土地については大正14年に制定された「外国人土地法」に於いて一定の制限を掛けられるとありますが、昨年10月15日の参議院予算委員会で、外国人の土地取引について菅首相は「規制には政令が必要だが、現在は存在せず、事実上この法律も有名無実になっている」と答弁しております。つまり、一度取得してしまえば余程の事がない限り、日本の国土であっても日本としては外国人あるいは外国企業の持つ権利を奪う事は出来ません。北海道では現在わかっている範囲で、森林の40ヶ所、905ヘクタールが外国企業若しくは外国人に買収されております。さらにこれとは別に所有者が誰なのか特定できない森林が合計5万ヘクタール存在しております。森林、農地以外で皆さんがよく知っている例としては市内の複数の有名ホテルも数年前から外国資本が所有しております。私たち千歳市民にとって何もヒステリックに騒ぎ立てる必要は有りません。ただ、冷静に現状を把握し、その実態と影響についていつでも検討できる状態を作ることは必要ではないでしょうか。千歳市ならではの特色を今後も維持して行く為には、商業・観光・工業・流通分野などで外国資本の力が今まで以上に必要になるかもしれません。この新たな「総合計画」を確実に実現する為にも、今私たち千歳市民に必要なのは共通認識の上に立った「ルール」の確立であると考えます。特色をしっかりと守り、それを次世代に繋げていく為に、必要な取り組みの第一歩が「ルール」の確立です。「ルール」を作る為に、私たち千歳市民が直接調査・研究をする作業も必要かもしれません。「総合計画」の「空港を核としたまちづくりの推進」にある通り、グローバル化の推進は求められています。しかし、その空港は「航空自衛隊」と隣接していることも厳然たる事実なのです。「規制」や「制限」より将来の千歳のまちづくりに必要とされる「ルール」の確立がなにより重要ではないでしょうか。

④ 現状整備されていない地番図等は、特に防衛施設周辺および新千歳空港周辺について国の費用負担でその整備を進めることが出来ないのか? 
⑤ 防衛施設周辺および新千歳空港周辺の雑種地、山林、原野等は国防上有益な緩衝地帯として、一定程度設定し国に一括して買い上げを求められないか? 
⑥ 新千歳空港および千歳基地周辺の土地取引に関し、諸外国にも通用する新たなルール作りに関する研究・調査する部署を作り常時情報収集に努める事はないのか?また、その必要性についてのご所見はいかがか?

 私たち千歳市民は、国防の最前線で生活する市民として騒音や振動を承知の上、この千歳で生活をしております。国防の任務に当たっている自衛官やそのOBの方々も同じ千歳市民として、この地で共に生活しています。議会の権限としてどれだけこの件について市民の声を集める事ができるのか、個人的あるいは会派内の議員にご協力をいただきながら、そして国の動向を見据えながらしっかりと取り組む覚悟ではありますが、千歳市としても是非この問題について前向きに取り組んでいただきたくお願い申し上げ、壇上からの質問を終了します。

予算特別委員会

石油製品の値上がりの影響について

 中東の政治情勢の影響で、ここ数ヶ月原油の価格が異常に上昇しております。また、3月11日の東日本大震災により、更なる石油製品への影響または建築資材の不足など全く想定外の状況が新年度を迎えるに当たり起きております。 これとは別に、市内では中小企業が23年の1月から異例とも言えるペースで倒産や整理される等、千歳市民は敏感に景気に受けています。そこで、予算書には石油製品に係る経費が、多くの項目に計上されております。その中で、指定管理者に委託し最終年を迎える「温水プール」、入札にて契約し5年契約の3年目を迎える「塵芥収集業務委託費」についてお伺いします。
① 両事業とも、21年度を契約の初年度としております。当然20年度の秋頃に積算作業をし契約にいたっていると思いますが、当時の市場における原油単価、A重油単価、軽油単価を教えてください。
② 22年度では、以上の3つの単価はどうなっているのか、市役所本庁舎、市有車に使用している単価を直近で教えて下さい。
③ 「協定書」または「契約書」に書かれている内容では、おそらく「疑義の生じた場合、甲乙協議の上等々」書かれていると思われますが、石油製品の価格についてはどの様な取り扱いになるのか?
④ 同様に「不可抗力」に関する記述も一般的にあるはずですが、取り扱いは?
⑤ 新年度では原油価格について、平成18年から20年春までにみられた高騰よりも、より速いペースで高騰するとの見方が広がっております。また、復興資金の調達から、金利の上昇も予想されますが、それらに対するご所見は?
⑥ 長期に渡る「契約」若しくは「協定」に不可抗力的な事象が起きた場合の、市の基本的な考え方は?




第3定例会

決算特別委員会(2009年度分)

寄付金について
 
 決算書130ページに寄付金として1138万円余りを計上されていますので、その項目について質問いたします。
 この金額は「奨学基金」「地域福祉振興基金」「心のふるさと基金」の3つの基金に振り分けられそれぞれの基金に積立額として計上されております。これは市民の方が納税とは別にする大切な寄付金です。言い換えれば、一人の市民として、市に対する最も直接的なメッセージと考えられます。その中で「奨学基金」に対する寄付金は870万を超える金額ですが執行額は次の132ページに有る通り、基金から繰り入れて、分かりやすく言えば基金を取り崩して執行した金額は約480万円しか使われていない。当該年度に反映することが難しければ、当然次の年度に反映されると思いますが23年度の執行予定額も同じ金額です。この一見すれば市民の意思を無視したかに取られかねない状態になっている訳ですが、その理由についてお伺いします。
 次に、市内のある団体が22年度「ピンクリボン活動」に賛同し、広く募金活動を行い少しでも市民の乳がん撲滅につながればと考え、「寄付をしたい!」と市役所に相談されたと聞きました。対応されたのは何処の課か分かりませんが、それにマッチした基金が無い為、市としては寄付を受けられないので「社会福祉協議会」を紹介すると返答したそうです。審査意見書の75ページには全ての基金の運用状況が報告されています。本当にそのような事態が発生したのか?したとすれば、その対応についてどうお考えなのかお聞きします。
 基金の中に「心のふるさと千歳基金」という項目があります。これは「ふるさと納税」制度を利用して千歳市に寄付をされた金額が計上されていますが、156万円の内訳、取り崩して執行した金額が307万円と有りますが詳しい状況をお伺いします。
 「ふるさと納税」は東日本大震災の折、新たな形態の寄付ということでこの春以降新聞などでも報道されております。この寄付の特徴は「納税」と名乗りながらあくまで「寄付」であり、当初の目論見は都市部に生活する人が出身地等に「恩返し」的に行う寄付だったのでしょう。しかしながら、この制度を利用すれば、使途を指定して、つまり「基金」の中に該当する物が無くても千歳市に寄付が出来る。付け加えて言えば、千歳市民であっても千歳市に寄付が出来る制度設計になっていますが、先程申し上げた、「社会福祉協議会」を紹介するような事例のときは「ふるさと納税」の制度について案内をしているのかお伺いします。特に団体においてはこの「ふるさと納税」は利用しづらいので、その差を埋める物は何も無いのか?お聞かせ下さい。
 とかくこの決算員会では歳出の各項目に対する質疑に集中しがちですが、全ての事業は歳入がなければ行うことが出来ません。法律で決まっている以外の歳入の間口を広げる事について、人口の増加がほぼ止まった現状を鑑み、今後に対するご所見があればお伺いします。

農業振興費について
 
 244ページ農業振興費の内、「グリーンツーリズム施設整備補助金」が540万円となっております。同じ項目について20年度の決算委員会でもお聞きしました。その際、この事業の元になる計画「農村滞在型余暇活動機能整備計画書」はそもそも無理が無いのか?利用が少ないのは制度上、利用しづらい設計になっていないのかお聞きしました。この計画書にある「滞在型余暇活動 千歳型グリーンツーリズム」を確立するとは具体的に何を指すのか?3年間の補助制度の終了年度に当たることから、この制度の総括を是非、丁寧にしていただきたいと思いますが?
 手元に有る「千産千消マップ」を見れば、市街地近郊にまだまだこの制度を利用したい施設が有るのでは考えられるし、このマップに新たな場所として書き加えられる事こそ本来の目的と思いますが如何でしょうか?
 最終年度、つまり22年度は執行額は少なかったものの利用件数は3件とそれなりに有りました。実績から見れば、まさに、これから本来の趣旨が達成されようとしている時期にこの補助金が打ち切られ、23年度のグリーンツーリズム連絡協議会への補助金が10倍に増額されているのはどの様な判断か?この施設整備補助金が復活する可能性は?その際、補助対象者は従来どおり「農業従事者」に限定されるのか?一例として上げるならば先月、グリーンベルトで開催された「軽トラちとせ市」のような事業こそ、グリーンツーリズムの趣旨を理解し有効な事業だとすれば、継続的な開催に対する補助もこの補助金の対照とならないのか?つまり、都市部に生活する商業者も使える制度にならないのか?お聞かせ下さい。

 病院事業会計の経常利益について
 
 病院事業会計決算書の9ページに当年度純利益として1億6千7百万円あまりが計上されています。この年度経常利益が出るのは23年度の予算委員会でも、その見込みを申し上げてることから相当程度早めに、つまり昨年の上期が終了した10月ぐらいには判断していた事と思われます。一般の企業であれば、利益は株主への配当、病院の場合では一般会計からの繰入の減額に当たります。
 または、従業員への給与・賞与の増額あるいは支給、これは医療スタッフの報酬額アップ。次に投資して未来の売り上げ増を戦略的に狙う、これは医療機器の購入に当てることになるのでしょう。最後にもしもの時の為に貯金、これは内部留保としてそのまま残す。大体いま申し上げた所かと思いますが、具体的に何かに向かって取り組まれているのでしょうか?
 この決算書からは、利益が出た最大の理由が循環器の医師が増員された事によるものは明白です。勿論、診療科目にもよるでしょうが、一般的に医師が一人増えれば病院事業会計にどの様な影響をもたらすのか、お伺いします。
 市民からの要望の高い、産婦人科、小児科への医師確保はどうなっているのか?リハビリ等、施設的に不十分な所があればその改善はどの様になっているのか?お聞かせ下さい。
 市民病院改革プランによりますと黒字化を目指すとありますが、黒字になった後の事にはほとんど言及されておりません。24年度までの4カ年計画ですが、前倒しで新たなプランを作成する可能性は?
 先程、医療機器の購入を投資と申し上げましたが、やはり一番の投資は勤務してくれる医師を確保するに尽きると思われます。私が21年6月の第2定例会、一般質問で取り上げた給付型の奨学金制度は確実に未来の医師を確保するに有効と思われ、21年度にはキャッシュフローの黒字、今年度は経常で黒字と今取り組まずにいつ取り組むのか?という状況ですが、ご所見をお聞かせ下さい。

第4定例会

一般質問


指定管理者制度について

 当市では平成18年度から導入された「指定管理者制度」ですが、平成15年に地方自治法の改正を受け平成17年3月に条例を制定、その後20年に1度条例改正が行われております。
 地方自治法の改正は当時の状況から「公営組織の法人化・民営化」の一環として行われ、国と地方の在り方の改革、官と民の公共分野での役割分担を推し進めるものでした。
 この指定管理者制度は今まで公の施設の管理は公共団体かその外郭団体に限定されていたものが、民間企業やNPOなど市民団体なども対象者になり今までより弾力性に富み柔軟な施設管理・運営が期待されるものです。
 一方「指定管理者制度」は「経費の節減」と「住民サービスの向上」の両方を目的とし民間のノウハウを公の施設管理に取り入れる事を目標とし、各自治体で条例を定めて運用する事としています。当市の場合、応募時には管理料の提示は勿論、積算根拠も審査され、市民に提供出来るサービスを示し、経営安定性や公益性への考え方も評価され総合的に一番高い評価を得た企業・団体が選定委員会で指定管理者に選ばれます。
① ここでまず伺わなければならないのは、この制度が導入されて6年間になろうとしております。導入前と比較して向上した市民サービスとは何を指すのか?具体例を上げてお答え下さい。

 指定管理者制度を適用した場合、当然節減された経費つまり余剰金が発生します。また、教育・文化の分野などでは費用対効果をそもそも求められていない事から、従来は高コスト体質になっていた施設の管理運営も、指定管理者制度を導入する事により適正な費用に落ち着く事で得られる大きな余剰金と民間提供のサービスが生かされるのは、この制度の大きな特徴と言えるでしょう。しかしその場合、高コストの原因が何だったのか適正に評価出来ていなければ、経費削減の努力を一方的に民間に押し付けてしまう危険性も持ち合わせているのです。下がった原因が人件費に有る場合、官と民の所得格差を利用して経費の削減を求めている事にならないか大いに疑問の残る所です。
 削減された経費がどこに行ったのかも大いに疑問です。実際に浮いたお金が出る訳ですから、まずは市民税の減額による還元が筋、現実的に難しければ新規事業で何が出来たとか、具体的に示せなければ一体そのお金はどこに行ってしまったのでしょうか。市民からの預かり金に対し、歳出の抑制が出来たならまずその恩恵を受けるのは市民です。しかし、市民がその恩恵を実感出来ない状態、つまり役所の財布だけが潤っている状態でこの制度が運用されているので有れば、早急な見直しが必要ではないでしょうか。
② 公の施設を民間のノウハウで管理運営するのに適正なコストとは何か?募集時の上限額の積算根拠は?大雑把な積算をしていないか?
③ 各事業の募集要綱で示された上限額は市が直接運営した場合に掛かる必要な経費と同額か?もし、そうでなければ低くても民間なら出来ると判断した根拠は?
④ 似た様な目的を持つ施設の指定管理業務の場合、今の制度では応募企業の数により競争原理で職員の給与水準が施設によって著しく違う、不公平な結果を招く事にならないか?
⑤ 上限額との差額は過去6年間でいくらで、そのお金はどのような形で市民に還元されたのか?新規事業に充てられたとすれば、その事業とは何?

 導入時の経緯や今までの状況を調べますと、やはり「経費削減」のみに重点を当て「住民サービスの向上」にあまり目を向けて来なかった事は否めない事実です。なぜなら、平成17年の1回目の選定時には14項目各20点からなる評価ポイントは18年に変更され、事業計画の実効性、収支計画の根拠と適切さに2倍となる40点の配点を与え、経費の削減には実に3倍もの60点の配点に改めているものの、利用者ニーズの把握とサービスの向上は従来通りの20点のままという事実が証明しております。聞く所によりますと、この配点見直しは議会からの声を反映させたものとの事。当時の時代背景から公の施設管理の効率性の悪さに注目した点は私もよく理解出来ますが、住民サービスの向上に目を向けなかった事は我々議会並びに議員が大いに反省するべき所です。
 毎年出される、毎年各事業に応募される企業・団体はサービス向上に対して経費削減と同じ扱いで真剣に取り組むでしょうか?どうしてもこの業務を行いたい、請け負いたいと考えれば、経費削減に重点をおいて計画を作るのは必然では有りませんか?
 市内経済への影響も考慮する必要が有るでしょう。当然ですが市内に循環するお金の量が減るのです。さらに指定管理者が市外の場合、市民からの預かり金の中からその金額が丸ごと市外に流出する訳ですから雇用など様々な分野への影響も必至です。
 また上限額とほぼ同じ金額で指定管理者を選定している例や1社のみの応募例も存在します。その場合選定結果と評価点の関係が気になる所です。各項目に対する評価、特に「経費の削減」と「住民サービスの向上」には、ある基準点を下回る場合は選定出来ないなどのルールの変更が早急に必要かもしれません。
⑤ 評価ポイントの重点項目は正しくこの制度の目的を理解すれば、経費の削減と住民サービスの向上が同じウェイトになるべきだが、現時点で違う理由は。
⑥ 地域経済の観点から地元企業・団体への配慮、同様に指定管理を継続したい場合は継続指定への配慮が欠けているのでは。
⑦ この制度が始まるとき国内では総額2兆円規模の市場になると予想されました。千歳市内ではいくらの市場規模があり、そこで支払われる費用は市内にどのような経済効果をもたらし、雇用の確保や税収への貢献はどの程度と評価されているのでしょうか?
⑧ 上限額とほぼ同じ金額で指定管理が行われる場合、この制度の目的を果たしていると言えるのか?言えるとすればその根拠は?

 また、5年間以上に渡り「指定管理者制度」を実施した上で、現在私が抱いている疑問について、代表的事例をいくつか取り上げながら具体的にお聞きします。
 次年度の指定管理業務が停止される事となりました「千歳市サーモンパーク」は、「道の駅 サーモンパーク千歳」内の指定管理されている公の施設で、しばしば隣にある「千歳サケのふるさと館」と混同されます。その理由を一口に言ってしまえば同じ財団が管理しているからでしょう。しかしながら道の駅としての位置付けは「サーモンパーク」と「千歳サケのふるさと館」も含み、サーモンパークは指定管理者制度を活用して管理をし、サケのふるさと館は所有者であるこの財団が自ら管理をしています。経費の面、道の駅としての一体的管理のしやすさ、区別して利用する利用者は実際いないので「サーモンパーク」の指定管理者としてこの財団が選定された事は大いに理解出来ます。おそらく観光と教育の相乗効果も狙いとして有ったかもしれません。しかしながら、このサーモンパークの指定管理について毎年報告されるモニタリング結果では選任の職員を全くおかず、自主事業としてはサケのふるさと館の料金割引のみで、サービス提供実績と新規サービスの取り組み、入場者の増減など、他の指定管理者では報告書にきめ細かく記載されるものがほとんど記載されず違和感を感じ得ずにいられません。
 また、業務の一部を外部委託していると報告されておりますが、逆に選任スタッフがいないのに何の業務を自前で行っているのかも分かりません。指定管理者制度では業務の一部を外部に委託出来る事とされていますが、一括しての外注、いわゆる丸投げは認められておりません。しかし実態はほぼ丸投げに近いのでは無いですか。この財団の指定管理者としての役割を、私が所属する産業建設常任委員会で確認した所、指定管理者の業務の内容は協定書によると清掃、施設の維持管理メンテナンス、警備、その他と有るだけなので全く問題ないとのお答えを頂きました。空港や支笏湖でなくこの市街地の真ん中に、大勢の市外からの来場者が有り、憩いの場として、また農産物の直売所として、休憩する場所として提供されている公のスペースなのですから、いわば街の看板みたいな場所です。そこに於ける指定管理業務が今申し上げた内容ではガッカリとしか言い表せません。来場者へのサービスやリピート率アップへの取り組み、来て良かったねと言われる様な施設は一体どこが主体になって取り組まれているのか。偶然にも今回、道の駅リニューアルに伴い、指定管理者制度を一度停止するとの事なので、先般報道されたタスクフォースが道の駅の今後の方針と「千歳サーモンパーク」の指定管理者制度についてもしっかり議論してくれる事でしょう。
⑨ 縦割り行政の批判が多い中、横グシを刺したようなイメージのタスクフォースですが、サーモンパークの指定管理者制度について今ご指摘した内容を検討するのかしないのか、タスクフォースが千歳市サーモンパークの施設運営に関して果たすべく役割をどう捉えているのでしょう。

 さて、もう一つの事例、「温水プール」について考えてみます。この11月に総務文教常任委員会に示された選定結果から、先ほど申し上げた配点のアンバランスを勝手ながら計算し直しました。経費の削減を他の重点項目と同じ2倍の加算、サービス提供についても同様の2倍の加算とすると、ポイントでは今回の選定結果と逆の順位になります。一方、金額の面は5年間で約7000万の差と募集時に市が示した上限額4億9千6百万余りに対し、選定された企業は80.9%にあたる4億3百万弱で非常に大きな費用削減、一方のA社は95.1%の4億7千百万余りで僅かな削減しか有りません。両者の差は実に約7千万と大きな差になっておりますが、先ほどお伺いした様に、上限額の根拠が納得出来るのでなければ、全く意味のない数字かもしれません。
 繰り返しになりますが、制度の目的に沿ったポイントではA社の方が逆転して上位になります。しかし今回の選定結果はポイント上でも今回選定された市外の企業が上位にいる為、選定委員会で導きだされた結果は順当と判断出来るでしょう。しかし、あえて私は冒頭から申し上げてる様に、サービス提供と経費削減と同列に扱い、市内経済や雇用への配慮、さらに付け加えて言えばこのA社とは現在の指定管理者ですから、教育・文化施設の継続性を考慮すれば違った結果が導かれてもおかしくなかったのではないかと考えます。むしろ現在の利用者、それはあくまで市民の一部でしかないとお考えのようですが、市民の立場では今まで通りの方が受け入れられやすいのではと考えます。A社は毎年のモニタリング報告でも利用者から施設運営に高い評価を受けております。昨年は「温水プール」会場以来最高の入場者数を記録した事は市民の高い評価が実績として表れたものと判断出来ます。しかしながら、同報告では過去2年間の経常利益に対して厳しい評価を受けている事も事実です。これは主に重油単価が原因で、言わば出てしまった利益です。しかも協定書では具体的な返還方法も示されておりません。今年の3月、第1定例会中の予算特別委員会にて私は既に指摘しておりますが、価格変動の大きなものが経費の大部分を占めるものは「指定管理」であっても「随意契約」であっても別の考え方が必要なのではないでしょうか。実際に現在の指定管理者を選定する時期、平成20年秋頃はピークを過ぎていたかもしれませんが、十分に今より高い金額で重油が取引されていたではないですか。今回の例では重油の価格をどのように想定するかで実に年間で351万円も違っています、5年間で1755万円も開きがあるのです。ここにいる誰が5年後の重油単価を予想出来るというのか、選定委員会はその根拠を持っていたのか、しかも公の施設の管理に対する見積もりとして、安全マージンを取った方より、現在の価格以下の金額で安く計算した方が高く評価されている納得出来ない所です。5年間の安定運営を目指すなら物価リスクに関する対応も評価すべきです。消費者と民間の間だけに限定される経済活動なら大いに歓迎され、価格変動が有ってもその責は自ら負うべきですが、指定管理者制度はあくまで公の施設運営で支払う原資は市民からの預かり金です。このお金の使われ方は、官が影響力を及ぼし一定の効果を狙うべきマクロ経済なのです。リスクの回避、運営の安定性が必要なのは当たり前で、その為の費用を評価の時にマイナスと捉える事は理解に苦しみます。必要なのは不可抗力で出た損益の処分方法を決めておく事、そうすれば、今回の募集時に重油単価はいくらで積算しなさいと指示ができ、より公平な審査が出来た事でしょう。
 人件費に目を向けると、市の積算では6人の正職員で十分とされておりますが選定された市外の企業では人数はそのままで金額のみ上回り、A社では人数は11人と倍増に近くかつ金額も大きく上回っています。A社の場合、市の積算より人件費のトータルで上回って計画を作成している。選定委員会の講評を読みますと少なくても好感は持たれていないようです。しかし、この数字は現在この施設を管理しているからこそ出て来た金額で、実績に基づいた正直な数字ではないでしょうか。6人とされた正職員は現在既に9名おり、経験と実績から5年間の間に正職員に昇格する人数も見越してのものです。これも市民の労働環境をよりよい物とし、市内の雇用を守って行く高い意欲の表れで、選定委員会の評価でも職員の配置計画においてトータル人件費の高いA社に高い評価が示されているではありませんか。
 全てを足し算して比較すれば安い方が良い様に見えるのは不思議な事ではありません。しかしながら、これは指定管理者制度で施設は公の物です。提供されるサービスも公のものです。地元の企業であるA社は働く人のほとんどが千歳市民です。またこの選定結果から読み取れる事は、毎年約3千万を超える利用料収入も市外に流出するので、合わせると毎年1億3千万以上の市内に循環していたお金が消える可能性が非常に大きい。5年間で7千万の削減効果を具体的に市民に示せたとしてもマイナス効果の方が高いのではないでしょうか。人口が10万人に届かない街の経済として、本当にここまでの開かれた市場を市民は望んでいるのか。地元で出来ない施設管理ならば、大都市からの参入を受け入れそのノウハウを学ぶ事は大きいかもしれないが、市民からも高い評価を受け、実際に地元で施設管理・運営出来ている施設までもが競争原理をさらされ、経費の削減やサービスの向上を求めなければならないのか。現行の制度では市外の大企業の参入は防げず、指定管理者がすべて市外企業になってしまう可能性も否定できません。第6期総合計画のキャッチコピー「みんなで生き生き 活力創造都市 ちとせ」にはわざわざ「みんな」の語句の説明として「市民・市民団体・事業者・行政がそれぞれの役割を果たしながら連携してまちづくりに取り組む」と書いてあるじゃないですか。
⑩ 教育・文化施設では継続性の観点から現在管理業務を行っているA社に対しての配慮、評価ポイントの上乗せ、また地元業者への配慮があってしかるべきではなかったか。その配慮が現在の制度には欠けているのではないか。
⑪ 重油単価など不可抗力的に大きく価格変動するもの、また過去に変動した実例があり指定管理者の経営に多大な影響を及ぼしかねない物品に関しては一律の条件で積算する事を求めなければ公平と言えないのではないか。
⑫ 6名つまり現在より3名少ない正職員で現状の2.5倍サービスの提供が出来ると総務文教常任委員会で報告された選定された企業の提案内容の実効性とその根拠は。実効性が十分とするならば、A社の行っている過去2年間の自主事業に対する市民からの高い評価を行政はどう捉えるのか。同様に他施設での各事業者への評価は信頼性が揺らがないか。
⑬ 過度の節減は市民サービスの低下、安全性の低下、特にプールは人命に関わる事からその検討は十分に尽くしたのか。
⑭ 「温水プール」の選定結果は第6期総合計画の「目指す都市像」の基本理念に反していないか、そもそも千歳市において「指定管理者制度」は一般競争入札の様に広く開かれた規模が必要なのか。

 冒頭で触れた通り、この指定管理者制度はまだ出来て間もない、これから育って行く制度、地域に於いては地域住民が主体となり住民が主役の街づくりの為、育てて行かなくてはならない制度です。しかし今までこの制度に十分な議論がされていたとは到底思えません。条例で定める以上、議会の承認が必要な事は当初から分かっていたはずなのに、現在も制度として問題と思われる点が多々あります。制度が不備なままでも、言い換えれば議会でたいした検討を重ねなくても、現行の制度で出された結果は全て有効なのです。これからの5年間、温水プールに件に関する限り議会としての説明責任を市民に対して果たせるのか、その覚悟をそれぞれの議員はお持ちなのか?この定例会前に各常任委員会に示された選定内容は、我々議会が認めた条例に基づいた選定方法なのです。手続き的にも全く間違った所は有りません、現行の制度では。
 もし多少なりとも疑問が有れば指定管理の実施まで3ヶ月以上有ります。疑問を抱いたままの結果を、5年間、市民の皆さまに受け入れて戴くにはもう少し議論が必要なのではないか、制度の改正が必要と感じる議員がここにいらっしゃるなら直ぐにでも見直す作業を始めるべきではないか、と私見を申し上げ、壇上からの質問を終わります。












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